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法曹界×福祉 卒業生対談

法曹界と福祉 進む連携
大学での出会いからつながる今

卒業生対談

Discussants

近年、法曹界でも福祉との連携のニーズが高まるなか
3名の卒業生が本学での出会いをきっかけに、
同じ法律事務所「岡山パブリック法律事務所」※で働かれています。
そこで成年後見活動に取り組む3名に、本学での学びや出会い、
そして現在の仕事や可能性について語っていただきました。

※地方初の都市型公設法律事務所(公益的活動に取り組むことを目的に、弁護士会の支援・協力により設置される法律事務所)であり、社会的・経済的な理由から受任が困難な事件や公益的事件を積極的に受任する。

弁護士と社会福祉士の連携・協働でよりよい成年後見を実現

Q鷲野准教授:現在のお仕事を教えてください。

西尾氏:弁護士・社会福祉士であり、岡山南支所の所長を務めています。成年後見の専従弁護士として後見業務を専門に担当し、財産管理を基本に、身上監護にも携わっています。

山本氏:社会福祉士として、成年後見業務のうちの身上監護を担当しています。主な業務は、利用者様のもとを月1回訪問し、変りがないか、困りごとがないかなどをお聞きし、入院や施設入所が必要となれば、その対応を行っています。

森谷氏:同じく、社会福祉士として身上監護を担当しています。

Q鷲野准教授:弁護士と社会福祉士が同じ事務所で役割分担、連携して成年後見業務に取り組まれています。そのメリットは何でしょうか?

鷲野 明美(わしの あけみ)
日本福祉大学 准教授
研究分野は社会福祉学(司法福祉)、刑事法学(刑事政策)、地域福祉。主な科目は「司法と福祉の連携とソーシャルワーク」「ソーシャルワークと専門職」「社会福祉援助技術論Ⅲ」「相談援助演習」「相談援助実習指導」「相談援助実習」。自身もかつて通信で学んだ体験から、その意義や、得るものの大切さを伝えながら学生をバックアップしている。

西尾氏:弁護士は、財産管理は得意ですが、寄り添って生活を立て直す身上監護については福祉的視点が弱く、弁護士だけでは不足だと思います。一方、社会福祉士だけでも、法的な部分が足りないと思います。特に、在宅で障害を抱えている方など、困難案件が多い当法人では、社会福祉士の仲間がいなければとてもやっていけません。両者の協働・連携でよりよい後見が叶い、また、専従の事務局が中継地点となることでうまく機能しています。これは先駆的な取り組みで、全国から視察が来ています。そうしたシステムもあり、法人としての成年後見の受託数は全国トップクラスです。

山本氏:財産管理と身上監護の業務が分かれているので、福祉的な部分を集中して考えることができ、また、困った時には相談もできるので、とてもやりやすいと感じます。

森谷氏:私は個人でもNPOから案件を受けているのですが、そのケースと比べ、弁護士、社会福祉士、事務局が一体となり、連携していい後見ができた時は喜びも3倍になります。

鷲野准教授:チームワークでよりよい後見ができれば、利用者さんの利益となります。
みなさんに後見していただければ安心ですね。

Q鷲野准教授:この仕事の魅力は何ですか?

森谷氏:利用者様との関係性をしっかりと密に構築でき、最後まで寄り添えることです。言わば身内代わりのようなもので、これは後見業務でしか味わえない醍醐味だと思います。

山本氏:ご本人との関わりもそうですが、多職種の人と関わり、どう支援していくかを一緒に考え、力を合わせてやっていくところにもやりがいを感じます。

西尾氏:魅力は多々あります。弁護士の仕事はトラブル解決がメインで、裁判なら勝ち負けになりますが、後見業務には勝ち負けがなく、正解すらありません。そんな中、山本さんが言うように、ご本人のためにどうしたら一番よいかを支援者同士で連携しながら考えられ、また、森谷さんが言うように、後見業務はシーンが細切れではなく、お亡くなりになるまでずっと寄り添っていけます。

大学での出会いを経て 法律事務所で共に働く仲間へ

Q鷲野准教授:大学の通信で学び、社会福祉士の資格を取得しようと考えたのはなぜですか?

西尾氏:成年後見専従弁護士として活動する中で、相談援助スキル、福祉に関する知識の不足を感じ、勉強が必要だと思いました。支援が必要な方とのやり取りは、一般的な法律相談とコミュニケーションの方法が違います。特別な対応が必要で、当時も法人内には社会福祉士がいましたが、対応が全く異なりました。

山本氏:介護福祉士として働いていた中で、要介護の状態でも自分らしさを大切にしてもらうにはどうすればいいかと考えるなど、権利擁護に興味を持ち始めたのがきっかけです。また、社会福祉士の視点など、多方向からの視点を持つことでよりよいケアができるのではと考えました。

森谷氏:義父の介護をきっかけに、大きな夢と期待を持って福祉業界に経理として入りました。しかし一般企業以上に厳しい経営の実態や現場スタッフからの声を聞き福祉ってなんだろう?という疑問が湧いてきました。これは福祉を根本的に勉強するしかない、勉強するのならトップレベルの社会福祉士を目指したいと思いました。

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