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山口 貴子さん インタビュー(2)

見えていなかったものが見えるようになり
患者さんの背景、退院後までを考えるように

Q育休明けからは、再び急性期医療の集中治療室に勤務されています。
福祉を学んだことによる変化はありましたか?

表面には出てこない本当のニーズを含め、以前は見えていなかったものが見えるようになったと感じています。また、患者さんの入院から退院、その後々までを見据えられるようになりました。
命を救うことが最優先なのはもちろんですが、残る障害を最小限に留められるだろうか、残された機能をどう生かすか、家に帰れるようにするためには何ができるかを常に念頭に置くようになり、指導にも取り入れています。また、家族などの背景やお金のこと、たとえば医療材料の負担が重くないか、それがどこから出るのかなども考えるようになりました。

それから、ソーシャルワーカーとの連携体制が強まりました。必要な人がいればすぐに連絡し、障害が残るかもしれない可能性や、家族状況などの状況を早期より共有し、介入が必要な時にすぐ動けるようにしています。看護師はソーシャルワーカー介入の必要性を患者さんの入院時にスクリーニングすることになっているのですが、私はかなり細かく情報を探り、ニーズを掘り下げています。

Q研究にも着手されたそうですね。

集中治療室に入室した患者さんがしばしば起こすせん妄は一過性のものと考えられていましたが、認知機能障害を起こすなど、予後が悪くなると言われるようになっています。そこでせん妄を起こした人の在院中の状態を調べた結果、やはりソーシャルワーカーの介入率が高くなっているという実態が分かりました。結果をまとめた論文を、アメリカの医療ジャーナルにも取り上げていただきました。

Qお仕事のやりがいは?

病気や入院は人生の中でも大きな出来事。その克服に向かう支援ができることが喜びです。看護師にできることは無限大にあります。集中ケア認定看護師は重症患者さんのケアのスペシャリストという立場ですが、一方で全人的なケアを行うためには、看護師はゼネラリストでなくてはなりません。だからこそ自分を磨き続けなければならない仕事であり、仕事を初めてから、学びたいという欲求が強くなりました。
自分を磨いて得たことを還元することが役割であり、やりがいでもあります。さらに患者さんに関わることで学ぶことも多く、成長できます。

Q実際、学んだことを還元できていると感じますか?

そうですね。幅広い視野を持って関われること、ソーシャルワーカーの早期介入を促せることなどで、患者さんの利益に還元できているのではと思います。

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