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小林 茂さん インタビュー

地域活動をきっかけに
福祉の学びの必要性を実感

小林 茂さん

社会福祉法人 浦河べてるの家
べてる生活サポートセンター長サービス管理責任者
小林 茂さん

Profile

教会の牧師活動をしながら、日本福祉大通信教育部に編入。通信教育部を卒業後、2007年3月には、日本福祉大学大学院 社会福祉学研究科心理臨床専攻課程を修了。現在は、臨床心理士、日本キリスト教団牧師としても活動している。

小林さんが働く「社会福祉法人 浦河べてるの家」とは

「浦河べてるの家」がある北海道浦河郡浦河町は、襟裳岬にも近い北海道の東南に位置し、人口は1万4千人ほどの町です。周辺では日高昆布をはじめとする海産物やサラブレッドなど競走馬の産地としても有名です。また、広義の意味で「べてる」の活動は、カフェ、昆布などの水産物の加工、環境清掃、製麺などを行う就労支援事業所とグループホーム4棟、共同住居4棟を提供する生活支援事業所を行う「社会福祉法人 浦河べてるの家」、福祉用品の販売を行う「有限会社福祉ショップべてる」、当事者の企業家たちが活動する「協働オフィス いいっ所」、当事者の自助活動グループの「NPO法人セルフサポート浦河」などからなるコミュニティをいう。主に精神障害者が地域で活動する場の多種多様な事業を行い、10代から70代まで約200名が活動している。
2009年7月には、「カフェぶらぶら」という店舗(カフェ&レストラン、物販)がオープンし、当事者が接客と運営に携わっている。

臨床心理士としての日常

Q小林さんは現在「浦河べてるの家」のべてる生活サポートセンターのセンター長という立場で業務にあたられているわけですが、日常的にはどんな内容の業務をされているのでしょうか?

べてるの家(本部)の概観

べてるの家(本部)の概観

べてる本部の風景

べてる本部の風景

私の専門は臨床心理ですが、ソーシャルワーカーのような仕事もしています。自分の仕事を臨床心理的地域援助の実践と捉えています。朝は8時45分に出勤し、当事者スタッフも含めた事務スタッフ、べてる就労サポートセンターのスタッフが集まって業務報告をします。生活支援のスタッフは、朝の服薬支援等をした後の9時30分に集まります。私の場合は、生活の支援部門の責任者なので利用者の生活に関する様々な細かい確認も必要です。利用者の状態などで支援上のテーマが挙がれば対応を考えていきます。私の場合、法人の事務も兼務しておりますので、福祉サービスの申請などの事務作業もします。同時に、利用者さんからの相談、ケース会議やカンファレンスといった支援会議、必要に応じてドクターや医療相談室のソーシャルワーカー、権利擁護の支援者といった人たちと意見交換します。午後からはできるだけ支援計画書の作成などに集中したいところです。夕方からは各住居の住居ミーティングが開かれるので出席します。毎日が慌しく過ぎていきますね。

Q小林さんは臨床心理士でもありますが、「べてるの家」で働くスタッフには、小林さん以外にも専門職がいるのですか?

べてるの理念

べてるの理念

当事者研究の様子

当事者研究の様子

べてる就労サポートセンターでは、ソーシャルワーカー、看護師などの専門職の常勤職員が務めています。べてる生活サポートセンターでは、私以外の常勤職員はいません。他は全員がパートの非常勤職員です。ですから、専門職といえども役職上にかかる業務といった専門外の仕事、つまりグループホームの入退居にかかる書類や支援計画などの書類作成・申請などは私がします。それから、世話人さんや生活支援員さんの仕事は、彼らしかできない役割や専門性があります。彼らには非専門家の専門性があるのです。彼らは有資格者という意味で専門家ではないのですが、異なった専門性があるのです。当事者の力を信じて支援していくには、非専門家と呼ばれる人たちの存在と彼らの専門性が重要だと考えています。ですから、専門家の持つ専門性も必要とされますが、専門家と呼ばれる人ばかりいても困るわけです。私としては、非専門家と見做されがちな世話人さんらの専門性を活かし、当事者らへの良い生活支援に結び付けていくか、常に考えなければならなりません。具合の悪くなった当事者を直に支援する世話人の仕事は大変です。彼らのメンタルヘルスの支援も必要となります。その点、私の専門は後方支援だといえます。

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