ここからページの内容です
お知らせ
セッションスクーリング「児童虐待と社会的養護Ⅰ」(担当教員:河尻 恵教授)が行われました。 このスクーリングでは、児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)や児童福祉法、さらには令和5年12月に閣議決定された子どもの大綱などをもとに、日本の虐待防止対策、並びに虐待等による保護された子どもの養育を担う社会的養護体制の制度、政策について学びを深め、双方の推進と課題について考察することをテーマに講義が行われました。多くの受講者が集まり、賑やかなスクーリングになりました。
担当教員:河尻 恵 教授
1. 本科目の到達目的と到達目標
【キーワード】
こども家庭庁 こども大綱
改正児童福祉法 都道府県社会的養育推進計画
家庭養育の推進
【到達目的】
- 児童虐待防止法施行以来、児童相談所における虐待の相談対応件数は増加の一途を辿っており、虐待の態様も多様化している。国はこれまでにさまざまな対応策を打ち出し、都道府県(児童相談所)や市町村の体制強化を図ってきた。これらを踏まえ、児童虐待対応の経緯や直近の動き(児童福祉法改正、こども大綱決定等)を理解した上で、法的根拠や制度の理解とともに児童相談所(一時保護所を含む)や市町村、民間機関の役割と取り組み状況について学ぶ。あわせて虐待等により子どもを保護する際の法的対応等や、一時保護や社会的養護関係施設、里親家庭など保護を行う機関それぞれの役割や特徴を学び、国が進める家庭養育の推進について理解を深める。なお、上記を学ぶ上では2018年に国が都道府県に対して示した「都道府県社会的養育推進計画」や2022年の児童福祉法改正の内容について具体的に理解しながら、その後の制度設計とその成果や課題について考察する。本科目においては、現場職員による講義や事例などを活用し、できる限り実践的な内容から学びを深めたい。
【到達目標】
- 本の子ども家庭福祉について、法的観点、制度的観点で説明できる。
- 児童虐待防止と社会的養護の現状と課題について客観的に説明できる。
- 児童虐待防止と社会的養護の現状と課題を理解した上で、今後の子ども家庭福祉が目指すべき方向性を見いだすことができる。
2.講義の内容
1. 児童虐待と社会的養護の現状と課題などを学ぶ。
2. 児童虐待への理解とそれに関わる市町村の役割を理解する。
3. 児童虐待防止対策の推進について考える。
4. 社会的養護の現状と方向性などを「都道府県社会的養育育成計画」等から学ぶ。「里親制度」「ファミリーホーム」「乳児院」などの概要を理解する。
5. 家庭養護の推進と里親支援について、事例を通して理解する。
3.講義の様子
担当教員より、「児童虐待の定義と現状」を2023年4月に創設されたこども家庭庁の資料データを元に解説がありました。また、ここ10年ほどで、こどもに関わる法制度は早急に改正・策定が進められおり、2016年の「児童福祉法等の改正」を期に、2022年「こども基本法の成立」、2023年「こども大綱の策定」、2024年「次期都道府県社会的養育推進計画の策定」について紹介がありました。


また、事例を元に「なぜ虐待が起きてしまったのか?」「防止するにはどの様な対応が必要だったか」などグループワークを通じて、学生同士の活発な議論が行われました。
こども家庭ソーシャルワーカーの魅力や今後の期待などにも触れ、分かりやすい講義が進められました。


児童福祉の現場で実務にあたるゲスト講師には「児童虐待への理解」と「児童虐待における市町村の役割」というテーマで、現場における児童虐待の実状や某市を事例に現場の役割について解説いただきました。

講師:佐藤 剛 氏
(西日本こども研修センター あかし研修事業課長)

講師:髙岡 俊雄 氏
(横浜市栄区役所 こども権利擁護課 こども権利擁護担当係長)
ロールプレイでは、保護者またはこども、職員、観察者の役割になり、テーマのもとにそれぞれの役割になりきりどの様な対話を行うべきかなどを学び、フィードバックをいただきました。



4.教員からの一言
ニュースなどで頻繁に取り上げられる児童虐待は、一見、他人事のように感じられますが、実は私たちの生活の中の、近いところで起きています。
また、虐待を受けるなどして家庭で養育されることが困難になり保護された子どもたちは、さまざまなハンデや苦しみを抱えながら、地域にある施設や里親家庭などの社会的養護の中で生活を送っています。
児童虐待の防止対策や、社会的養護の子どもたちへの支援は、専門機関や専門職による支援だけでなく、近いところにいる地域の人たちの理解やふれあいによって、より手厚いものとなります。
このスクーリングでは、虐待が起きる家庭の状況や、児童相談所等の関係機関の対応、関連する法制度の移り変わり、また社会的養護の子どもに対する支援等について、受講者の皆さんに学んでいただきます。その上で、現場経験のある講師による講義や臨場感のある事例を使った演習などにより、受講生の皆さんがそれぞれの立場で自分事として考えたり、グループで学び合ったりする機会にしていただければ幸いです。

本件に関するお問い合わせ
日本福祉大学通信教育部事務室
住所 | 〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田 |
---|---|
電話 | 0569-87-2932 (平日 9:30-17:00) |
FAX | 0569-87-2308 |
メール | tsqa@ml.n-fukushi.ac.jp |
願書・資料請求
『出願手続要項』やパンフレットなど、入学に関する詳しい資料請求は、こちらからお申し込みください。
入学説明会日程
日本福祉大学 通信教育部では、全国で説明会を開催しています。
お問い合わせ
日本福祉大学通信教育部へのお問い合わせは、電話、FAX、Eメールにて直接受付させていただきます。