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お知らせ
セッションスクーリング『単身世帯と社会政策』(担当教員:藤森 克彦 教授)が行われました。 このスクーリングでは、単身世帯の増加の実態とその要因、さらに単身世帯が抱える生活上のリスクを考察し、社会としてどのような対応をしていくことが必要なのかを考えます。
スクーリングには、多様な年齢、職業の方など約120名の学生が参加しました。本スクーリングのレポートをお届けします。
単身世帯を切り口にして、日本社会の課題とその対策を考える。
担当教員:藤森 克彦 教授
1.本科目の講義目的と到達目標
【講義目的】
単身世帯を切り口にして、日本社会の課題とその対策を考える。
具体的には、①単身世帯の増加の実態とその背景についてデータに基づいて理解する。②また、単身世帯の増加には、貧困、社会的孤立、要介護時の対応といった点で課題を抱える人が増える傾向にあることを理解する。③さらに、単身世帯の増加に対して求められる政策―社会保障の機能強化、地域づくり、働き続けられる社会―を考える。④最後に、家族の支え合いを前提に構築されてきた日本型福祉国家が、現在岐路に立っていることを認識し、今後の方向性を考える。
【到達目標】
- 単身世帯の増加状況とその要因について説明できる。
- 単身世帯の抱える生活上のリスクに対して説明できる。
- 単身世帯の増加に対してどのような対応をすべきか、説明できる。
- 福祉国家類型に基づいて、日本の社会保障の特徴について説明できる。
2.講義の内容
1.講義のオリエンテーション
(目的や進め方の説明)
2.単身世帯の増加の実態とその要因を理解する
3.単身世帯の抱える生活上のリスクを理解する
4.単身世帯の増加への対策を理解する
5.社会保障の機能強化と財源について理解する
6.レポート形式の科目修了試験
3.講義の様子
担当教員による全体講義。単身世帯の増加の実態とその要因について理解を深めました。講義内では、単身世帯の増加はなぜ問題なのか、一人暮らしの良い点と悪い点を考えながら、「単身世帯の抱える生活上のリスク」や「単身世帯の増加が社会に与える影響」「単身世帯の増加に対して求められる政策やその財源」について理解を深めました。

講義の合間には、要所要所でゲスト講師による講義が行われました。本講義では、3人のゲスト講師をお招きし、講義がなされました。

「生きること、生かすこと、生きあうこと」
講師:明石 紀久男 氏
(特定非営利活動法人遊悠楽舎 代表/一般社団法人 インクルージョンネットかながわ代表)

「地方自治体が取り組む生活支援について~ おせっかいな仕組みづくり~」
講師:生水 裕美 氏
(野洲市 市民生活相談課長補佐)

「社会福祉士とソーシャル・アクション」
講師:湯浅 誠 氏
(法政大学 現代福祉学部 福祉コミュニティ学科 教授/社会活動家)
ゲスト講義終了後は、グループワークで理解を深めました。各グループで、感想を述べ合うと共に、「単身急増社会において、重要と考える取り組みを3つあげてみよう」というテーマで討論がなされました。志を同じにした学生同士、意見や価値観の交流が行われました。


グループワークでの議論を踏まえて、各グループより発表がなされました。各々の多様な価値観や私らしく生きるために必要な支援方法について、共有がなされました。


4.教員から一言
日本では、貧困、介護、孤立などの生活上のリスクに対して家族が大きな役割を果たしてきました。しかし、世帯規模が縮小し、家族・世帯内の支え合いが、従来よりも弱くなっています。単身世帯の増加は、その象徴といえます。
今後に目を向けても、中年層や高齢層で単身世帯が増加するとみられています。特に、80歳以上の一人暮らし女性は、2015年から2030年にかけて1.5倍になるとみられています。
この講義では、まず、こうした単身世帯の増加の実態とその背景について考えていきます。その上で、貧困や介護など単身世帯が陥りやすいリスクについて考察していきます。そして最後に、家族の支え合いが弱まる中で、いかに「支え合う社会」を構築していくのか、を考えていきたいと思います。確かに、重苦しい現実はありますが、未来の社会は自分たちで変えられます。一市民として、福祉現場を担う者として、今後の社会の在り方を考えてほしいと思います。
本件に関するお問い合わせ
日本福祉大学通信教育部事務室
住所 | 〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田 |
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