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土岐 達志さん インタビュー

60才で社会福祉士を目指した
福祉施設経営者

土岐 達志さん

食品会社の会長を務める他、
障害者福祉関係の作業所や高齢者のグループホーム等を経営
土岐 達志さん

Profile

土岐 達志さんは、長崎県五島市在住。日本三大うどんの一つ「五島手延べうどん」を五島産の椿油を使用して製麺する「うまか食品(株)」の会長を務めるほか、障害者福祉関係の作業所や高齢者のグループホーム等を経営。
長年にわたり、長崎県や五島市の障害者福祉問題に積極的に取り組んで来た。
2005年日本福祉大学通信教育部入学。2009年卒業と同時に社会福祉士合格。2010年6月より、社団法人 長崎県身体障害者福祉協会連合会会長。

土岐さんが暮らす五島列島

歴史を物語る教会

歴史を物語る教会

福江島の高台から海を望む

福江島の高台から海を望む

福江島の高台から海を望む

五島列島は長崎県の西部に位置し、5つの大きな島を中心として約140の島からなる列島。土岐さんが暮らす福江島は一番大きな島であるが、長崎港からは約100キロの離島であり、島までは航路、空路を利用できる。五島市の人口は約42,500人。キリシタンの歴史を物語る教会が多く、古くから漁業が盛ん。名産は、海産物、椿油、五島うどんなど。「うまか食品」の五島手延べうどんは、手延べの際に五島産の良質な椿油を使用している。食べ方としては、たっぷりのお湯で釜揚げしたうどんを地元で獲れたアゴ(トビウオ)のだし汁のたれにつける「地獄炊き」がおいしい。

障害がある人が働ける場としての会社

Q通信教育部で学ぶ人の中には、自分で事業を起こしたいという
夢のある人もいます。土岐さんは入学する前から事業家であったわけですが、事業を起こした経緯を教えてください。

土岐さんご夫妻

土岐さんご夫妻

手延べうどんの製麺の様子

手延べうどんの製麺の様子

1992年に食品会社を立ち上げました。地場で取れる品質の良い椿油を使った手延べうどんの製麺所です。自分自身が障害者であることから、障害のある人が働ける場としてつくった会社なので、開設当初から3名、障害者を雇いました。
私は五島で生まれ育ちました。貧しい家庭でしたから、高校進学もあきらめていましたが、自分の実力を試したくて受験してみたら長崎の県立高校に受かってしまった。すると父親が「自分がなんとしてでも仕送りして卒業させてやる」と言ってくれたのです。ところがその父親が高校1年の時に脳梗塞で倒れ、高校を中退して島に帰ることとなり、地元(奈良尾町)の製氷会社で働き始めました。中学時代の同級生たちが高校に通い、大学まで行く人もいましたが、私は働き続けました。そして24歳の時、職場で片足を大腿部から切断する大事故に遭い、同時に父親が52歳の若さで急死しました。自分の人生は一体何だろう・・・と運命を呪ったこともありましたが、なんとか立ち直りまた元の職場に勤務しながら勉強もし、冷凍技術の国家資格をとりました。その後、1974年(26歳の時)に旧福江市へ引っ越し、障害者問題などの社会的な活動も始め、障害者を雇用するための食品会社を起こしたわけです。全くの裸一貫で起こした会社ですから、がんばるしかない。毎日、夜中まで妻とともに働きました。

Q食品会社を経営しながら、地域の高齢者福祉の課題にも積極的に取り組み、グループホームも開設されましたね。

中小企業リバイバルプラン支援資金で立ち上げたグループホーム

中小企業リバイバルプラン支援資金で立ち上げたグループホーム

はい。同居していた母親の認知症が進んできて、切実に高齢者問題を考えるようになり、2004年にグループホームをつくりました。金策もなく、土地のあてもなく、とにかく「よし。つくろう!」と決めて、動き出しました。銀行は当然のことながら、お金を貸してくれません。そこで地元の商工会に相談に行きました。幸運なことに、中小企業リバイバルプラン支援資金という制度が適用され、長崎県で第1号の融資を受け、介護福祉事業を立ち上げることができたわけです。

Q福祉事業を経営する中で問題をどのように解決していますか?

グループホームでのひと時

グループホームでのひと時

今は地域の福祉事業に対し、国や行政からも様々な支援が出るようですが、当時の私はそういうことも何も知らず、まず「とにかく、やろう!」と決意した。普通は開業する前に事業計画を立て、必要な資金も計算して資金繰りするのでしょうから、私のやり方はこれから福祉事業を立ち上げようとする方には、お勧めできませんね(笑)。ただ、地域に密着した福祉事業をやるのは、自分の利益のためではなく、高齢者や弱い立場の人のためです。その志があれば、色々な人の助けがあるはずです。何かの問題や行き詰ったときなど、一人の頭で考えることやできることはたかがしれている。そういうときこそ、問題をオープンにして、仲間や関係者の知恵を借りる。皆のバックアップがあってこそ、地域に必要なことは成り立っていくものだと思います。

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