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お知らせ

「受容と傾聴」をテーマにした大阪地域学習会の第2弾が開催されました

2013年1月13日、14日、大阪市立青少年センターで地域学習会が開催されました。学習会のテーマは「ソーシャルワーカーに求められる対人援助技術(受容と傾聴)」、12名の学生(在校生8名、卒業生4名)と2名の本学教員が参加しました。
この地域学習会は、2012年3月3日に開催された地域学習会「相談援助場面における『受容』と『傾聴』」で学んだことを「もっと深めてみたい!」という学生の思いから実現しました。「受容と傾聴」を学ぶ地域学習会の第2弾という位置づけです。今回の目標は、ロールプレイやグループワークを通じて、「受容と傾聴」の奥深さと多様さを実感すること、そしてその技術を体得することでした。

【本学参加教員】

小松尾京子先生<福祉経営学部(通信教育)専任教員>
戸田智弘先生<福祉経営学部(通信教育)専任教員>

●学習会の趣旨

ソーシャルワークを学ぶには、価値・知識・技術をバランスよく身につけることが求められる。そのなかの技術については、奥が深く多岐にわたるため、グループワークやロールプレイ等を取り入れて学ぶことで、その技術を効果的に身につけることができる。この学習会では、「受容」と「傾聴」について、ロールプレイを取り入れながらより実践的に学び、技術を身につけることを目的とする。また、援助者自身のメンタルヘルスの重要性に鑑み、セルフケアについても学びを深める。

●当日のスケジュール

1月13日(日)

9:30~11:30(90分) ●オリエンテーション&講義「援助とは何か?」
担当:小松尾先生
11:40~12:40(60分) ●講義「関係性をどう構築するか~キャリアカウンセラーの立場から」
担当:戸田先生
12:40~13:25 (45分) ●昼食
13:25~14:55 (90分) ●講義&演習 「聞くことの援助的意味」
担当:小松尾先生
15:05~17:05 (120分) ●講義&演習 「傾聴と受容~高齢者との対話で学んだ心のケア~」
担当:ゲスト講師 西村明美先生(日本メンタルケア協会 精神対話士)
17:15~18:45 (90分) ●講義&演習「会話記録の講読」
担当:小松尾先生
18:45~19:30 (45分) ●夕食
19:30~21:00 (90分) ●グループワーク「受容と傾聴の援助的な意味について」
担当:戸田先生

1月14日(月)

9:30~12:30 (180分) ●ロールプレイ「援助者としての態度」
担当:小松尾先生
12:30~13:15 (45分) ●昼食
13:15~14:45 (90分) ●振り返りとまとめの講義
担当:小松尾先生
14:55~15:55 (60分) ●レポート作成

【地域学習会の様子】

一日目は、小松尾先生による導入講義で幕を開けた。昨年に引き続いての2回目ということで、まずは第1回目のおさらいも含めて「援助とは何か?」という基本的な部分を再確認した。そのうえで「コミュニケーションの目的は?」「傾聴とは?」「受容とは?」などについての講義を聞いた。

続いて、キャリアカウンセラーでもある戸田先生の立場から、「インテークの場面においてクライエントといかに信頼関係を構築するか?」についての講義があった。クライエントとカウンセラーの関係を3つに分類し、それぞれに適した対応方法のポイントについて学んだ。

昼食後はゲスト講師・西村明美先生による講義と演習の時間。高齢者とのふれあいを通じて得られた「対話の基本的な態度と留意点について」の講義を聞き、演習で掘り下げていった。
次の講義「援助者のメンタルケア」では、燃えつきに影響を与える3つの要因を整理し、「燃えつきに至らないように何ができるのか」を考えた。続いての「会話逐語録を読み解く」という演習の時間では、自らの実践場面を振りかえる力をつけるために、「どのようになったら受容したといえるのか、傾聴したといえるのか」を、参加者で議論した。
二日目の午前中は、この学習会のハイライトだった。まず、12名が8名の援助者、4名の相談者に分かれた。次に、8名の援助者が2人ずつペアになって、4つの援助者グループを作る。4名の相談者はそれぞれ固有の相談内容を抱え、4つのブースを回っていく。15分が1クール、休憩を挟みながら、1時間半のワークが続いた。ワークを終えた参加者は相談者も援助者双方とも疲労困憊という状態だった。相談者は、いちばん話したいことを聞いてもらえないもどかしさ、役を演じることの難しさにぐったり。援助者は援助者で、受容と傾聴の基本は押さえつつも、異なった問題を抱えた相談者にどう対応するかは通り一遍ではいかないことに気づき、同時に制度を熟知することの大切さと、相談援助技術の奥深さを思い知ることになった。

グループワーク「援助者としての態度」

午後からは、まとめの講義と振り返りのワーク、その後にレポート作成をして幕を閉じた。

振り返りのワーク

終了後の集合写真

●担当教員のコメント

ソーシャルワークの実践は、価値・知識・技術が基本になります。大学では、それらを学ぶことはできますが、私たちは、実践現場にマニュアルやノートをもっていき、それを見ながら援助するわけではありません。価値・知識・技術を「理解する」だけでなく、「できる」ことが求められます。そのためには繰り返し練習をし、自分の体に価値・知識・技術を叩き込むことが必要です。
今回の地域学習会は、2012年3月の地域学習会の第2弾として、技術のなかでも特に、傾聴と受容、セルフケアについて学び、実践できることを目的にしました。実践に役立つ技術を身につけるために、要望の多かったロールプレイを多く取り入れました。特に、面接場面については、3時間にわたって繰り返しロールプレイをしました。相談内容も具体的で、本番さながらの面接場面となりました。実践者向けのかなりレベルの高いロールプレイでしたが、皆さん、その意図をくみ取り、取り組んでいました。
技術を高めるためには、ふりかえりが欠かせません。自分自身の実践者としての姿をふりかえるのは時には辛い作業となります。今回の地域学習会でも、きつい部分もあったと思いますが、一緒にふりかえるメンバーがいることで、自分自身の今後の課題を見出し、より学びが深められたと思います。 地域学習会終了後のみなさんの達成感のある表情が印象的でした。教員冥利に尽きる地域学習会でした。参加されたみなさん、戸田先生、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

小松尾京子

●企画学生のコメント

今回の大阪地域学習会は、昨年に引き続き同じテーマで更に、学習を深めたいという思いから企画をしました。担当教員の小松尾先生、学習指導講師の戸田先生そして準備スタッフと話し合いを重ね、約7か月間の準備を経て、また参加者の協力もあり、充実した学習会(2日間)を送ることが出来ました。
地域学習会は、スクーリングなどの学習とは異なり、学生が主体的に企画・運営を行い、テーマに基づき学びたいという学生が集まることで可能となります。準備段階では、様々なことをコーディネートする等の大変さはありましたが、企画者として多くのことを学ばせていただきました。地域学習会を終えた今は、やりがいや達成感を味わうことができ、大学生活での忘れられない思い出になっています。  この場をお借りして、大学をはじめ大阪地域学習会に多くの方々が携わっていただきましたことに、感謝申し上げます。

福祉経営学部(通信教育)在校生 中島 緑

●参加学生のコメント

  • 学習会に参加して改めて思ったことは、専門職として相談援助をするのなら「謙虚に学び続けていかなければならない」ということです。自分の経験や価値観だけの援助や、理論的根拠のない援助は専門職としての援助ではない・・・・・・。相談援助に根拠を持たせるためには「知識・技術・価値(倫理)」の3要素を常に向上させていく必要性を痛感いたしました。
  • 小松尾先生がおっしゃる通り、相談業務の達成感のなさ、介護職との違いに悩む日々でした。先生の実践からくる講義に、テキストでは得られない安心感を得ることができました。また、ロールプレイでは援助者をさせていただきましたが、「援助者は傾聴しなければいけない」ということだけでなく、制度を熟知して、クライエントを思いやっての指導・叱るということも必要な技術の1つであることを学びました。
    普段の学習ではロールプレイの機会がほとんどないため、クライエントとしての気持ちに触れられたのも大きな学びの一つです。通信教育としての学びなので、ロールプレイの演習が少ないと感じていましたので、学び続けるためにも、いい時間をいただけました。
  • 今回、初めての参加で緊張しましたが、皆さんと交流しながら充実した時間を過ごすことができました。相談支援において、大切な姿勢を講義やロールプレイを通して、いろいろな視点から学ぶことができました。一人オンデマンドに向かっての学びとは、まったく違う経験ができ、とても貴重な学習会となりました。
  • 「昨日の面談での言葉の選択は正しかったのか?」。そう自問自答を繰り返し、支援者として不安を抱えた毎日を送っていました。そんな未熟な私ですが、学習会に参加し、新たな気づきを得ることができました。そして、その気づきを、真摯に粘り強く言語化していくプロセスこそが、支援者としての大切な歩みなのかもしれないと今は感じています。着実に一歩ずつ、学びを続けていきます。

■本件に関するお問い合わせ
日本福祉大学 通信教育部事務室 地域学習会係
TEL:0569-87-2932
FAX:0569-87-2308
HP:【nfu.jp】-【お問い合わせ】-【通信教育部事務室】

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