本学キャンパスがある知多半島:半田市で地域学習会が開催されました。
 


  2008年6月22日(日)愛知県の知多半島にて、地域学習会が開催されました。
地域学習会とは、通信教育部の学生、同窓生によって自主的に企画運営される学習会であり、学生の要望を受け本学教員が講師として参加することもあります。
今回の地域学習会では、地域におけるノーマライゼーションの先進的事例として見学先となった社会福祉法人むそうの理事長:戸枝陽基さんを囲みながら、愛知学院大学経営学部から鵜飼宏成准教授をお招きし、本学からは元岡征志講師が参加して開催されました。また、本学通信教育部を第一期正としてご卒業後、地元の沖縄県石垣市内で高齢者福祉事業を立ち上げ、起業家としてもご活躍の當山房子さんにも一部ご参加いただきました。
今回は学習のテーマを「障害者福祉における日中活動系事業の可能性」と掲げ、障害者福祉の実践として「社会福祉法人 むそう」の取り組みを先進的モデル事例として取り上げつつ、福祉的経営の原型を体感することを目的として開催されました。事業を継続する上で必要な経営の基本的な要件については、短い時間でしたが経営シミュレーションゲームを体験し、その成果を参加者全員で共有しました。
開催日は、通信教育部の春季試験の日程と重なってしまいましたが、学習会のテーマについて関心の高い学生や卒業生が多数参加され、有意義な学習会となりました。また、当日は梅雨の最中であいにくの雨模様でしたが、終了するころにはすっかり上がって、さわやかな天気になっていました。

 


【スケジュール』

6月22日(日) 

  1. オリエンテーションとアイスブレーキング
  2. 障害者自立支援法の概要と日中活動系事業の可能性
  3. 先進事例:社会福祉法人むそうに学ぶ
  4. 経営シミュレーションゲーム「屋台屋本舗」
  5. 振り返りワークショップ

【知多半島における半田市の位置】
半田市の場所

 
元岡征志の参加レポート

 今回の地域学習会開催地となった半田市は、古くから知多半島の政治・経済の中心であり、港湾都市として発達した街と言えます。日本福祉大学の半田キャンパスもあり、本学ともいろいろと縁のある地域ですが、『ごんぎつね』などで知られる童話作家:新美南吉の出身地でもあり、市内には新美南吉記念館があるほか、記念館周辺には童話にちなんだ花畑などが広がっています。
  学習会では、「障害者福祉における日中活動系事業の可能性」をテーマとして、まさに地域に根付いたノーマライゼーションの実践を実現するために日本福祉大学を卒業した後、通所施設職員を経て自ら起業し、NPO法人と社会福祉法人を両輪としながら活動する戸枝さんたちの取り組みやその価値観に触れながら、これからの事業の可能性について参加者相互に学びました。
  後半には、経営の要諦をテキストに学ぶのではなく、シミュレーションゲームを通じて体感しようという試みから、夏祭りに出店する「屋台」をイメージしながら経営の原型を学びました。短い時間ではありましたが、机上ではなかなか想定できない「お金」と「人」、「モノ」の流れを少しでも体感できたのではないでしょうか。

フィールドとなった「むそう」の「アートスクウェア」

アートスクウェア内で営業する中華茶房「うんぷう」


 

「うんぷう」名物メニュー「ラーメンランチ」

 

地域学習会の様子
  6月22日(日)
   
 

【オリエンテーションとアイスブレーキング】

 

参加者がそれぞれ自己紹介。また参加した目的などを発表しました。

【「うんぷう」にて「むそう」のスタッフの方と食事】

名物メニューの「うんぷうラーメン」の味はいかがだったでしょうか?

【障害者自立支援法の概要と日中活動系事業の可能性・先進事例:社会福祉法人むそうに学ぶ】

スタッフの下畑さん(写真左)から先進事例として「むそう」の取り組みを紹介頂きました。また理事長の戸枝さん(写真右)より、「障害者自立支援法」を前提とした今後の見通し、また現在、参加者が抱えている起業における課題を題材とし、むそうの取り組みを紹介頂きました

【経営シミュレーションゲーム:屋台屋本舗】

 

今回の目玉の一つであった経営シミュレーションゲーム:屋台屋本舗にチャレンジしました。屋台の出店は、夏祭りにお店を出したい地域生活支援事業所の物語を背景としています。ゲームはシンプルでルールは簡単ですが、仕入れの遣り繰りと資金繰りはなかなか思ったようにはいかないようです。「むそう」のスタッフの方も参加され、一生懸命黒字にしようと電卓をたたいていました。

【振り返りワークショップ】

 

 最後のまとめの振り返りでは、個人の気付きや学びに留まらず、全員でそれぞれの気付きを共有しました。一人一人の情報をラベルに書き出し、共通する内容ごとに集約します。そうすることで自分だけでは気付かなかった視点や価値観などを共有することができ、とても有意義な振り返りだったと思います。
  さて、今回の地域学習会では参加者それぞれに非常に充実した一日だったと思いますが、まさに「学び」の出発点やきっかけに過ぎません。これからも共通のテーマに関心の高い学友同士の交友と情報交換ができると更なる学びが深まり、学習意欲も高まることでしょう。
  そこで、地域学習会の参加者が登録するfuxiの【コミュニティ】をご紹介します。興味のある方はぜひ、のぞいてみてください。(登録された方のみ、対象の【コミュニティ】に投稿することができます)

「地域学習会」コミュニティはこちら→


むそうについて
 

 通所授産施設アートスクウェア内には、中華茶房うんぷうだけでなく、アジア雑貨とアートスペースむくがあります。施設内全体が非常に明るく、開かれたスペースに感じられました。むそうの取り組みは、アートスクウェア内に留まりません。日中活動系の事業拠点としては、喫茶なちゅの板山店と有脇店の2店舗、農業としては養鶏事業(たまごハウスぴよぴよ)、椎茸事業(きのこハウスにょっき)、2008年3月からは新たにおそばや大判焼きのお店:「孤坊庵」(こぼうあん)と宿泊のできる「板山の家」といった事業が立ち上がっています。また、生活支援事業としてはホームヘルプ、デイサービス、ショートステイサービスなどの他、レスパイとにも取り組んでいます。さらには生活の場としてのグループホーム、ケアホームの運営にも積極的に取り組んでいます。
  お話の中では、利用者さんやご家族との関係づくりもさることながら、地域の方々との関係づくりがもっとも大切だとの事でした。

社会福祉法人 むそうURL: http://www.musou03.org/

 

 
 
  ■本件に関するお問い合わせ
日本福祉大学 通信教育部事務室
電話番号:0569-87-2932
FAX 番号:0569-87-2308