障害者政策と自立支援
障害者政策は、歴史的変遷は決して明るくない。「隔離政策」「優性思想」「差別」など多くの負の遺産が存在する。デンマーク社会省知的障害課の職員であったバンク・ミケルセン(Bank-Mikkelsen,Neils Erik1919~1990)は、1953年、親の会の要望から「知的障碍者福祉政策委員会」が設置し、1958年報告書で「知的障害があってもその人は一人の人格を持っているのであり、ノーマルな人と同じように生活する権利を持つ」とノーマライゼーションの思想を確立した。このノーマライゼーションが障害者福祉の世界に大きな影響を与えたのは事実である。本講義では、障害福祉政策の歴史的変遷を追いながら、「そこにある矛盾」を議論していく。1990年代の社会福祉基礎構造改革が障害者福祉士施策に与えた影響、特に2006年施行の障害者自立支援法(現在は障害者総合支援法)の理想と現実を押さえながら、今後の障害者福祉施策を検証していく。
●障害者福祉施設で相談援助業務に従事し、かつ社会福祉法人理事長である教員が講義を行い、障害者福祉現場の今日的課題についても触れていく。特に8050問題、家族の共依存、経済的共依存、権利擁護、後見について、障害者差別、インクルーシブ教育、合理的配慮などの具体的事例について検討していく。
科目名 | 障害者政策と自立支援 | 単位数 | 2単位 | 科目形態 | スクーリング科目 |
---|---|---|---|---|---|
担当教員 | 綿祐二 |