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井上肇さんインタビュー

井上肇さんの写真

生活クラブやまがた生活協同組合 理事長
特定非営利活動法人 結いのき 専務理事
2005年度 通信教育部入学、山形県米沢市在住

井上さんのプロフィール

1954年生まれ。マンガ同人活動を経て、1976年より米沢生活協同組合(1962年 設立)の職員となる。その後、同生協専務理事を経て、現在は生活クラブやまがた生協(2004年4月より名称変更)理事長。生協組合員による高齢者福祉活動としてたくろう所の運営を10年間続けた後、2004年「グループホーム結いのき」を開所。2008年にはNPO法人「結いのき」を設立。デイサービス、グループリビングの運営など利用者の立場からのニーズに応える幅広い福祉の取り組みを続けている。

井上さんが暮らす山形県米沢市

東北地方の山形県南東部に位置する。置賜(おきたま)地方の中心都市であり、置賜総合支庁の所在地。人口は約9万3千人で、年齢別人口比率を見ると、65歳以上が23%を占め、年々高齢者人口の比率が増えている。産業としては、古くから繊維産業が盛んだったが、70年代後半から半導体や電気機器の製造が産業の中心となった。ブランド牛の米沢牛も有名。気候としては、夏は盆地特有の高温多湿、冬は季節風の影響で4mを超える積雪が見られる豪雪地帯。歴史的には、戦国武将として人気の高い伊達政宗の生地であり、上杉謙信公からから代々の御廟所がある。江戸時代には米沢藩9代藩主上杉鷹山が領地返上寸前の藩を再生させ、名君として今なお市民の信望を得ている。2009年には直江兼続をモデルにしたNHK大河ドラマ「天地人」の舞台となった。


【米沢市の街並み】

【直江兼続像】

終の棲処として、自分たちが入りたい施設をつくろう

■ 「グループホーム結いのき」を開所されたのは、どんな経緯からですか?

「グループホーム結いのき」は、私が当時、専務理事をしていた米沢生活協同組合が開設したものです。生協と言うと安全な食品を組合員に提供するなど「食」を中心にした活動をしているという印象が一般的ですが、地域の福祉にも取り組んでいます。特に90年代に入ると米沢生協は、組合員の高齢化も目立って来ました。直面する高齢者問題に取り組むうちに、米沢市内に「たくろう所」を作ろうということになりました。介護保険指定業者としてではなく、利用者同士の助け合いによって運営することを基本としてきました。しかし年数が経つうちに、入居者の認知症が進むなど、専門性をもつケア施設が必要となってきたのです。ですから、「終の棲処として、自分たちが入りたい施設をつくろう」という目的で特別養護老人ホームを建てようと地域や行政へも働きかけました。あくまで利用者の立場から「自分だったらこんなサービスを受けたい」という老後を実現するために、施設というより「自宅の延長」としての建物、生活ができる場であることにこだわりました。その結果として、グループホームの設立となったのです。

【グループホーム 結いのきの概観】

「グループホーム結いのき」はその後、法人化に伴ってさらに活動の幅を広げていますが、その過程で、井上さん自身が日本福祉大学通信教育で学ばれたことは、どういう形で役立っていますか?

一つには、30年近く生活協同組合の常勤役職員として取り組んできたことを、体系的に裏付けることができました。生協というのは、全国各地にありますが、それぞれ独自の活動の歴史があり、生活協同組合についての専門書というのも出ていないのです。私自身も組織のリーダーの一人として、この10年余りはたくろう所やグループホームの運営にも関わり、困難な福祉の現場にも対応し、精一杯取り組んできたと思っています。しかし、残念ながら学問的根拠や歴史的実証にはなかなか縁がありませんでした。通信教育ではありましたが、大学で学ぶことで自分の志や軌跡を検証する機会となり、現場で生かせる知識の厚みを得られたと思います。特にスクーリング科目は、大いに役立っています。先進的な取り組みが学べたり、実践が学問との関連でどう裏付けされているかなど、理解ができました。生活協同組合、特に生活クラブやまがただから「かゆいところに手が届く助け合い」が取り組まれる訳が客観的に理解できることもたくさんありました。
また、通信教育部で学ぶ人たちは、多種多様な職業、人生経験を経て来た人が多いので、それぞれの話も面白くお互いに刺激を与え合うことができます。講師の先生もユニークで革新的な福祉論を展開される方が多く、生徒と一体になって授業を進めておられ、まさに「めだかの学校」のような「誰が生徒か先生か」という状態になり、ワークショップなどの参加型で学習ができます。
「結いのき」グループでも、参加型の介護教室など常に勉強会を開いています。私がスクーリングで学んだことは、取りあえずすぐに現場に伝え、実際にやってみる。福祉の勉強会に出ると、「あんなことできない。うちは・・・だから」という声もよく聞きますが、そんな言い訳はしないと決めています。学んだことは、即、実行。もし問題が出たら、その都度対応していけばいいのです。

【グループホーム内の様子】

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