熊本県・阿蘇市にて地域学習会が行なわれました

  2007年9月22日(土)、23日(日)に、熊本県、阿蘇市、阿蘇百姓村にて、地域学習会が開催されました。地域学習会とは、通信教育部の学生、同窓生によって自主的に企画運営される学習会であり、学生の要望を受け本学教員が講師として参加することもあります。今回の地域学習会は、10名の学生が参加し、教職員からは、雨森孝悦教授が参加されました。
 学習のテーマを地域再生「自然を活かした地域づくり」と掲げ、阿蘇の地域復興に尽力している方々に、地域再生、環境保全について講話されました。
  また、2日目の23日(日)には阿蘇の地、その空間そのものが博物館というASO田園空間博物館や、トロッコ列車の乗車体験など、阿蘇の地域づくりの現状を見学しました。
 
   
 

スケジュール

9月22日(土)  会場:阿蘇百姓村

  1. 門前商店街・阿蘇神社散策
  2. バイオマスエネルギー工場視察
  3. 外部講師による講話
  4. 交流会
 
9月23日(日)

 1. ASO田園空間博物館
 2. トロッコ列車 ゆうすげ5号に乗る
雨森孝悦教授の参加レポート
雨森孝悦教授の参加レポート

 阿蘇で印象に残ったことといえば、何と言っても広いことである。これほど雄大さを実感させる地域は日本にもそうはない。もっとも、私は阿蘇が初めてではない。前に来たとき、阿蘇市の門前町商店街の心ある店主たちから地域の活性化について話を伺い、阿蘇地域復興デザインセンターの坂元事務局長と語り合って、何年かたってその発展ぶりを確かめたいという気になった。それが地域学習会という形で実現して、とても嬉しかった。
  門前町商店街は発展したかというと、以前と比べて商店街に点在する木が心なしか育ってよい雰囲気になっている。人通りも多いとはいえないが、少なくもない。商店街の町並みや看板の字体を揃え、清らかな湧き水をせせらぎにするといった振興対策が行なわれる前は、通りでキャッチボールをしても誰の邪魔にもならなかったほど通行人が少なかったという。それと比べれば相当の違いが生じているといわざるを得ない。これからも、賑わいを増していくことを祈りたい。そして、いつかまた訪れたい。

   
地域学習会の様子
  9月22日(土)会場:阿蘇百姓村
   
  1.門前商店街・阿蘇神社散策
 少子高齢化の影響で寂れつつある阿蘇市の阿蘇神社門前商店街に、かつての活気をとりもどそうという地元の町興し、活性化の取り組みを視察しました。
  その門前商店街に「とり宮」という店を構える若主人は、馬肉入りのコロッケ、「馬ロッケ」という阿蘇ならではの食材を使用したユニークなコロッケを販売しています。また、お客さんに季節の便りを出すなど、リピーター獲得に余念がありません。
   
「とり宮」のご主人(左)を訪問 門前町商店街
「とり宮」のご主人(左)を訪問 門前町商店街

2.本学教授による講義
 バイオマスとは、動植物から生まれた再生可能な有機性資源のことです。この工場では、阿蘇の草原に豊富に存在する未使用の草本系バイオマス(主にススキ)を利活用し、事業として成り立つバイオマスエネルギーシステムを構築することを目的としています。また、この取り組みは、農業経営者の高齢化、若者の都市への流出により、草原地帯が荒れていることからその土地の有効活用としても期待されています。
 
九州バイオマスフォーラム  主任研究員 中坊 真さん(左奥)
  九州バイオマスフォーラム 主任研究員 中坊 真さん(左奥) 九州バイオマスフォーラム 主任研究員 中坊 真さん(左奥)

3.外部講師による講話
講話: 「阿蘇神社周辺におけるまちづくりの昔と今」 講話: 「阿蘇は九州観光の溜まり場になりうるのか?」
     ―地域づくりとツーリズムの現状について―
講師:ボランティアガイド 嘉悦 渉さん 講師:阿蘇地域振興デザインセンター 
    事務局長 坂元 英俊さん
ボランティアガイド 嘉悦 渉さん 阿蘇地域振興デザインセンター 事務局長 坂元 英俊さん
 

4.交流会
 講話終了後、参加者の皆さんは、坂元さん、雨森教授を交えて地域再生や環境保全についてなど、活発な意見交換がされていました。
 
9月23日(日)

1.ASO田園空間博物館
ホームページアドレス:http://www.aso-denku.jp/
 ASO田園空間博物館とは、阿蘇の風景と人々の営みそのものを体験する「屋根のない博物館」として、博物館の中に暮らす人々と、訪れる人々とがともに阿蘇の魅力を見つけ発見し、それを次世代につないでいこうという信念に基づき活動をスタートさせた博物館です。また、地元のボランティアの方々が道案内人として活躍されています。当日は、「阿蘇をさるこう」(「さるこう」とは、歩こうという意味)というイベントに参加し、地元のボランティアの方の道案内のもと、阿蘇市の歴史ある場所を巡りました。
 
ASO田園空間博物館 ASO田園空間博物館
 
2.トロッコ列車 ゆうすげ5号に乗る
     トロッコ列車とは、全国一小さな機関車を前後に連結して走る日本唯一の珍しい列車です。特殊客車は窓がなく、南阿蘇高原のさわやかな風を味わえます。列車は、阿蘇5岳の南側のカルデラを走ります。
  参加者のみなさんは、阿蘇の山々や高さ約60メートルの白川の大渓谷のスリル、風情ある景色を味わいました。
 
 

トロッコ列車

白川の大渓谷
トロッコ列車
トロッコ列車の車窓から
トロッコ列車の車窓から
 
  ■本件に関するお問い合わせ
  日本福祉大学 通信教育部事務室
  電話番号:0569-87-2932
  FAX 番号:0569-87-2308